2011年11月10日

想いを継ぐということ

私は、着物が好きです。
着物や帯の布の、感触や色彩や絵画にも負けない図柄に触れていると日常の嫌なことも忘れられます。
そして、日本の気候や女性の体質に合った「着る物」としては1番適していると思います。
只、着る工程や日常の動作で不便があるのは事実。それが、着物を着てもらえない昨今の現状です。

実際、私も最近は以前より着用が減っているのですが・・・
「着物着て、チャラチャラして結構ですね」(悪意があるのか?)とか、「着物着てどこ行き?」と聞かれたり、ジロジロ見られたりとか、居心地の悪いことこの上なく、弱気になります。

でも、やっぱり好き!

そんな私に、ある方から50枚位の着物を頂く機会が・・・
お母様が40年位前に用意された物だそうですが、肝心のお嬢さんは洋服ばかりで着物はめったに着なかったそうです。
「折角、作って貰ったものなので捨てられないし、着てもらえれば」ということでした。
しつけの付いた着物ばかりでしたが、40年の年月と保存の悪さでシミや変色が出ていました。

2日間かかって、着物の状態を調べていると、
「これも要るわね、あれも有れば良いわよね」と、用意されたお母様と呉服屋さんの様子が偲ばれるようでした。
お嬢さんのお話では、着用したことのある着物は捨てたそうで、一体どれ程の数の着物だったのでしょうか。

私も娘を持つ身、自分が着る以上に娘の着物を選ぶ楽しさは経験済み、着姿を愛でる嬉しさも親ばか全開で感じました。
洋服では、嬉しさといっても本人だけのこと、着物を着ることで、親御さんやお祖母さんや関わった方すべてが幸福感を共有できる。着物って深いのです。

折角戴いた着物ですので、出来るものからお直しに出しています。
また、改めて着ていこうと思います。だから、「どこ行くん?」って聞かないでね。






タグ :着物独り言


Posted by ごもん at 21:46│Comments(0)
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